年末の記事 の構成からさらにCPUを換装し、名実ともに“最強”になった私のMac Pro (Mid 2010)ですが、このマシンが対応している最新のOSであるmacOS Mojaveでは、多くのソフトウェアでアップデートを受けられなくなってきました。
Logic ProやAdobe CCの最新バージョンが使えないのは流石に困るので、新しいMacを買うことを検討し始めたのですが、昨今の最悪な為替レートと半導体不足のダブルパンチ、さらに現行Macのビミョーなラインナップなど、明らかに買いどきではないため、泣く泣く(?)Mac Pro (Mid 2010)の延命を決意、本来はサポート対象でない最新のmacOS Montereyを無理やりインストールすることにしました。
やったこと
上述のとおり、macOS MontereyはMac Pro (Mid 2010)をサポートしていません。
そこで、OpenCore-Legacy-Patcherというソフトウェアを使用します。
また、以前から使っていたOS X v10.8とmacOS v10.14の環境も残しつつ作業を進めていきます。
工程はざっくり以下のとおりです。
- USBメモリを用意する
- OpenCore-Legacy-PatcherのリリースページからGUIアプリを落としてくる
- 同アプリを開き、画面の指示に従ってmacOSのインストールメディアを作成、OpenCoreのブートローダもUSBにインストール
- USBからブートし、(今回はOSを共存させるため起動ディスクのパーティションをあれこれするなどしてから)macOS Montereyをインストール
- 起動ディスクにOpenCoreをインストール
- macOS Montereyのムカつく表示や設定を少しマシにする
公式にすげー整ったドキュメントがあるので、やってみたい人はこちらを参照されたし。
本来、Monterey(というかMojave以降)に対応していないMacの多くは、搭載されているGPUがMetal APIに対応していないため、macOSのインストール後にOpenCore-Legacy-Patcherに含まれているGPU Acceleration Patchを当ててやる必要がありますが、このMacには年末の記事でご紹介したとおり、Metal対応のATI Radeon HD 7950が入っているので、その必要はありませんでした。
さて、次節からは作業内容をゆるく紹介していきます。
OpenCore-Legacy-Patcherでインストールメディアを作成
まずOpenCore Legacy PatcherのGUI版を落としてきます。
アプリを起動したら、“Create macOS Installer”を選択、画面の指示に従ってポチポチと進めていきます
結構な容量をちまちまUSBに書き込むので、それなりに時間がかかります。待つべし。
あとは、ブートローダをビルドしてインストールするだけ。これも勝手にやってくれるので楽ちん。
インストールなど
まずmacOS Mojaveの環境を別の起動ディスクに移します。これが一番時間取られる。
ここからが本番。スタートアップマネージャから、先程作成したインストールメディアを選択すると、
OpenCoreの画面になるので、Montereyのインストーラを選択。
新しい場所 探すときがきたよ
この先はいつもどおり、画面に従って初期設定をするだけですな。
実は初回起動時、GPUアクセラレーションが正常に動作していなかったのですが(全体的に描画がモッサリし、透過やぼかしの処理ができていないなどの症状)、これは再起動で解決しました。
起動時はSSDにインストールしたOpenCoreブートローダ経由で起動ディスクを選ぶ必要があります。スタートアップマネージャから直接Montereyの起動ディスクを選んでも、駐禁マークが表示されるだけでブートできません。
ムカつくUIをマシにする
いざインストールに成功してみると、やたらデカくて丸っこいUIデザインが鼻につきます。せっかく大きな画面サイズなのに、UIの各要素がタッチ操作できそうなほど大きいのは考えものです。
また、UIサイズ以外にも画面の隅々から何とも形容詞しがたい「気持ち悪さ」を感じていました。
UIサイズについては、Finderのサイドバーが何よりも気に入らなかったのでそこを変更しました。
そして、「気持ち悪さ」の大部分は半透明でブラーがかかったUIによることが判明したため、アクセシビリティ設定からそれも無効にしました。
少しはマシになったかな。嫌いだけど。
アップデートは普通に降りてくる
Montereyを入れたものの、ずっとMountain Lion環境での作業が続いていましたが、久しぶりにMontereyを起動したらmacOS 12.5のアップデートの案内が来ていました。 特別な操作をすることもなく、すんなりとアップデートすることができました。
その他感想
UIこそ気に入りませんが、これといった不具合もなく安定して動いています。12年前のマシンだとは思えないほどサクサク動くし、視覚体験以外は非常に快適です。
また記事を改めて書きますが、メインで使っているWindowsマシンが故障したせいで、図らずもMonterey環境をガンガン使うことになってしまいました。
本来の用途であるDTM以外にも大学レポート関連作業(地味にメモリを食いつぶす)に落書き、動画編集などなど、メインマシンが担っていた作業を当分の間Mac Pro (Mid 2010)で行うことになります。
これからも使い倒していくぜ!